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ICT施工
3次元設計データをもとにICT建機をセットアップし、半自動制御により生産性と安全性を向上。
また、進捗状況や出来形数量も確認可能できます。
また、進捗状況や出来形数量も確認可能できます。
施工機械の種類
3DMC
(3Dマシンコントロール)
3次元設計データと高精度な測位システム(GNSS)を組み合わせ、
建設機械の操作を自動制御する最先端のシステムです。
主な特徴
- 建機の作業装置(バケットやブレード)を自動制御
- 設計データに基づく高精度な施工が可能
- オペレーターの熟練度に依存しない安定した品質
- 作業効率の大幅な向上と工期短縮
動作例:
ブルドーザーの場合、オペレーターは前後進のみを操作し、ブレードの上げ下げは設計データに基づいて自動制御。
これにより、設計通りの精密な整地作業が可能になります。
3DMG
(3Dマシンガイダンス)
3次元設計データを活用してオペレーターをガイドする支援システムです。GNSSアンテナやIMU(慣性計測装置)により建機の位置や姿勢をリアルタイムで計測し、設計面との差分を表示します。
主な特徴
- リアルタイムでの施工ガイダンス表示
- 設計面との差分をモニターで可視化
- オペレーターの判断をサポート
- 手動操作による柔軟な施工が可能
動作例:
バックホウの場合、キャビン内のモニターに設計断面図とバケットの位置関係がリアルタイムで表示され、
オペレーターは画面を見ながら最適な操作を行うことができます。
2Dと3Dの違い
ICT建機システムは大きく分けて2Dと3Dの2種類があります。
3Dシステムは衛星測位(GNSS)を使用して現場全体での位置を把握できるのに対し、
2Dシステムは基準となる点からの相対的な位置関係で制御を行います。
3Dシステムは広範囲の施工に適しており、より高度な自動化が可能です。
一方、2Dシステムはよりシンプルで導入コストを抑えられ、小規模な現場や高精度な作業に適しています。
現場の規模や要件に応じて、最適なシステムを選択することが重要です。
3D
衛星測位システム(GPSやGNSS)とセンサー技術を組み合わせて、建設機械の位置と作業装置の位置をリアルタイムで3次元的に把握するシステムです。
主な特徴
- 現場内のどこでも正確な位置情報を取得可能
- 高精度な3次元測位による施工精度の向上
- リアルタイムでの位置・姿勢情報の把握
- 天候や時間帯に影響されにくい測位が可能
2D
レーザー発信機や超音波センサーを用いて、基準点からの相対的な位置関係を2次元的に計測するシステムです。設置が簡単で、小規模現場での使用に適しています。
主な特徴
- 基準点からの高さと距離を正確に計測
- シンプルな機器構成で導入コストを抑制
- 設置や操作が比較的容易
- 小規模現場での高い実用性
測位技術の種類
GNSSを利用した測位技術
GNSSを利用した測位技術は、高精度な位置情報をリアルタイムで取得することができ、
ICT施工において重要な役割を果たしています。
主に以下の3つの方式があります。
主に以下の3つの方式があります。
RTK
Real Time Kinematic(リアルタイムキネマティック)は、
基準局と移動局の2つのGNSS受信機を使用して、高精度な測位を実現する技術です。
特徴
- 数センチメートルの精度
- リアルタイムでの位置補正
- 基準局の設置が必要
- 通信環境の確保が重要
使用場面:
単一の現場での高精度測位が必要な場合に最適
通信方式:
無線やモバイル通信による補正データの送信
VRS
Virtual Reference Station(仮想基準点)は、複数の電子基準点のデータを利用して、
作業現場付近に仮想的な基準局を設置する技術です。
特徴
- 基準局の物理的な設置が不要
- 広域での利用が可能
- 携帯電話網での補正データ受信
- 月額利用料が必要
使用場面:
複数現場での作業や移動しながらの測量に最適
通信方式:
携帯電話網を利用したインターネット通信
向く現場条件
- 上空視界が良好な開けた現場
- 広範囲の施工エリア
- 複数の重機が同時稼働する現場
向かない現場条件
- 上空視界が制限される現場
- 電波障害が予想される現場
- 精密な施工が必要な現場
注意点
- 現場条件の事前調査が重要
衛星の捕捉状況、電波環境、障害物の有無を確認
- 季節や時間帯による衛星配置の変化を考慮
施工計画時に衛星の可視性を確認
- 必要精度と現場環境の適合性を確認
要求精度を満たせる環境か事前検証
- 代替測位手段(TS等)の検討も推奨
GNSS不適環境での対応策を準備
測位技術選定のポイント
- 現場の規模と作業範囲
単一現場ならRTK、複数現場ならVRSやIBSSが適切
- 必要な測位精度
高精度が必要な場合はRTK、一般的な作業ではVRSも十分
- 通信インフラの状況
携帯電話網の受信状況、インターネット接続の可否を確認
- 運用コストの検討
初期費用と月額費用のバランスを考慮した選択
TSを利用した測位技術
トータルステーション(TS)を利用した測位技術は、プリズムを自動追尾することで、
高精度な位置情報をリアルタイムで取得することができます。
GNSSが使用できない環境でも安定した測位が可能です。
自動追尾TS
自動追尾TSは、建設機械に取り付けられたプリズムを自動的に追尾し、その位置をリアルタイムで計測する高精度な測位システムです。
主な特徴
- ミリメートル単位の高精度な測位が可能
- トンネルや高層ビル街など、GNSS不感地域でも使用可能
- 気象条件の影響を受けにくい
- 自動追尾機能により連続的な位置計測が可能
向く現場条件
- トンネル内や地下空間での工事
- 狭小現場での施工
- 高精度施工が必要な現場
向かない現場条件
- 広大な施工エリア
- 視通の確保が困難な現場
- 気象条件の影響を受けやすい現場
注意点
- TSと建機間の視通の確保が必要
障害物による遮断を避ける設置計画が重要
- 通常300m程度、施工範囲に応じた適切な設置位置の選定
複数台の建機を制御する場合の対応
- 複数台の建機を制御する場合の対応
各建機の作業範囲を考慮した追加TS設置の計画
- 定期的なキャリブレーション
精度維持のための定期的な点検・調整作業の実施
- 気象条件による影響の考慮
霧や雨などの視界不良時の代替手段の確保
- 作業環境の維持管理
粉塵対策や視通確保のための定期的な現場整理
ICT建機レンタル導入の流れ
1
機種選定
測量方法の選定
- UAV写真測量
- 地上型レーザースキャナー
- 従来測量(ICT無し)
×
ICT建機の選定
- バックホウ
- ブルドーザー
- ローラー
- モーターグレーダー
×
測位方法の選定
- RTK-GNSS
- VRS
- IBSS
- 自動追尾型TS
2
必要なデータの種類
平面図データ
- 現況平面図データ
- 計画平面図データ
(.dwg, .dxf)
×
基準点データ
- 既知点座標データ
- ローカライゼーションデータ
(.csv, .txt, .sim)
×
3次元設計データ
- 発注図面からの3次元モデル作成
- 座標系と単位系の確認
(.xml, .landxml)
3
ローカライゼーション
基準局の設置
- 最適な設置位置の選定
- 電源と通信環境の確保
▼
座標系の設定
- 現場座標系の設定
- 基準点データの入力
▼
現場座標変換
- 現場座標系への変換
- 座標変換パラメータの算出と設定
- 高さ補正値の設定
4
ICT建設機械の導入
システムのセットアップ
- 既知点での座標確認
- 3次元設計データの取込み
- キャリブレーション
- システム全体の精度検証
▼
システムの基本操作
- 起動と終了手順
- モニター画面の見方
- 各種モード切替方法
▼
安全管理のポイント
- システム使用時の注意点
- 安全機能の確認方法
※実機を使用した実践的な研修を実施し、現場での運用をスムーズに開始できるようサポートします。
5
アフターフォロー
施工状況の確認
- 施工精度の確認
- 作業効率の分析
×
システムの最適化
- 運用状況に応じた設定調整
- 精度管理のサポート
×
技術的なアドバイス
- 操作方法の改善提案
- 新機能の活用方法
- 定期的な精度確認
※導入後も継続的なサポートを提供し、ICT施工の効果を最大限に引き出せるよう支援します。
導入に関する注意事項
- 事前の現場環境調査
GNSS受信状況、電波障害要因の確認
- データ準備時間の確保
3次元データ作成、変換作業の考慮
- 通信環境の整備
基準局-移動局間の通信、データ転送環境
- 定期的なメンテナンス
センサー類の点検、システム更新の確認